ニキビとグリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
Date:2015/7/12
ニキビケアコスメに配合されていることが多い「グリチルリチン酸ジカリウム」。
今まで試してきたニキビケアコスメにもよく入っていた成分です。どんな成分でどんな効果があるのか、副作用は?気になることを調べてみました!
コスメディナ:YAE
年齢:30代
肌質:混合肌
肌の悩み:大人ニキビ、毛穴の黒ずみ・目立ち
30代の主婦。肌質はべたつきがちな混合肌。
小学校のころから、ニキビに悩まされ続けています。
ニキビ跡や毛穴のざらつき、黒ずみなど、悩みはつきません。
グリチルリチン酸ジカリウムの原料は?
グリチルリチン酸ジカリウムの原料は、生薬である甘草(カンゾウ)。
甘草には天然の化合物「グリチルリチン酸」が含まれていて、この成分に抗炎症作用や抗アレルギー作用があります。
ただ、甘草から取り出したままの「グリチルリチン酸」は水に溶けにくいので、化粧品には配合しにくいという難点があるそう。
そんな「グリチルリチン酸」を水酸化カリウムと化合させ、水に溶けやすくした形が、「グリチルリチン酸ジカリウム」なんだそうです。
グリチルリチン酸ジカリウムの「ジカリウム」の方は化粧水に配合できる形にするためのものだったんですね!
表記の仕方は、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸2Kなどありますが、全て同じ成分。
ニキビケア用化粧品の他にも、肌荒れを防ぐ効果があるので様々な化粧品に配合されているそう。
その他、シャンプー、石けん、入浴剤、その他医薬品など用途はいろいろなので、身の回りにも結構あるかもしれませんね。
私が初めてこの成分を知ったのも、子どもの見た歯磨き粉のCM。「グリチルリチン酸ジカリウム~♪」と口ずさむフレーズが今でも耳に残ってます。
その効果は?
甘草は昔から、口内炎や喉の炎症を抑えるために漢方で用いられてきた歴史があります。古くから抗炎症剤として利用されてきたということですね。
抗炎症作用は医薬品にも応用されていて、のどのはれや痛みを鎮めるトローチ、鼻炎薬や胃腸薬などの内服薬、目の炎症を鎮める目薬などに幅広く使われているそうです。
グリチルリチン酸ジカリウムが化粧品に配合される場合は、一般化粧品と区別されて「医薬部外品」の化粧品になっていることが多いです。
医薬部外品は、医薬品と化粧品の中間の化粧品のこと。一定の効果があることを厚生労働省から承認を受けた「有効成分」が入っているという目印もなります。
グリチルリチン酸ジカリウムの他にもイオウ、サリチル酸などもニキビを防ぐ有効成分ですね。
グリチルリチン酸ジカリウムがニキビケアコスメに配合されているのは、強い抗炎症作用があるから。
赤くはれたニキビの症状を和らげてくれます。
ただ、できてしまったニキビの炎症を抑える効果なので、ニキビ予防の効果は期待できないそう。
また長く使用していくことで効果を感じやすくなる成分でもあるようです。
グリチルリチン酸ジカリウムは、抗炎症作用の他に、アレルギー反応を抑える作用もあります。
かゆみや肌荒れなど、化粧品によるアレルギー症状を起こしやすい敏感肌の方も、その症状を抑えることができるので、敏感肌用の化粧品にも配合されることが多いそうですよ。
ニキビケアコスメには不可欠!?
私が今まで試したニキビ用コスメの成分を見返してみると...なんと10種類中8種類に「グリチルリチン酸ジカリウム」が配合されていました!
ニキビ用のコスメにはなくてはならない成分と言うことですね。
しかも、実は残りの2種類にも「グリチルレチン酸ステリアル」という成分が入っています。
「グリチルレチン酸ステリアル」は、グリチルリチン酸を分解してステアリルアルコールと結合させたもの。
グリチルリチン酸ジカリウムの仲間ということですね。同じように抗酸化作用と抗アレルギー作用がありますが、その効果はグリチルリチン酸ジカリウムよりも強いそう。
グリチルリチン酸ジカリウムが水溶性なのに対して、グリチルリチン酸ステリアルは油溶性なので、化粧水などにはグリチルリチン酸ジカリウムが配合されていることが多いそうです。
一方グリチルレチン酸ステリアルは、ノブACアクティブのクレンジングリキッドや、ルナメアACに入っているナノサイズの油滴「アクネシューター」の中に配合されていました。
油性なので、配合できるものも限られてくるようですね。
気になる副作用は?
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症効果や高アレルギー効果は、グリチルリチン酸ジカリウムが持っているステロイドに似た作用によるもの。
成分構造がステロイドと似ているそうです。「ステロイド」という言葉を聞くとドキッとする方もいらっしゃいますよね。
副作用については気になるところ。
調べてみると、副作用が無いわけではありませんが、化粧品の場合は配合量が少ないので、気を付けなければいけないのは、服用した場合のみとのことです。
具体的には1日の摂取量が40mgを超えると、「偽アルドステロン症」という症状が出る可能性があるそう。高ナトリウム血症、低カリウム血症という形で症状が現れるとのこと。
副作用が心配される40mgはどれぐらいの量なのか、グリチルリチン酸ジカリウム入りの化粧品を使った想定で計算してみました。
グリチルリチン酸ジカリウムを化粧品に配合できる濃度は0.5%まで。単純に計算すると、最高濃度の化粧水を一般的な使用量一日10ml使うと、その中に配合されているグリチルリチン酸ジカリウムは0.05mgです。
副作用が心配される40mgというのは、最高濃度に配合された化粧水を「一日に」8リットル使って、全てが体内に吸収された場合、ということになりますね。
そう考えると、ちょっと安心。自分の肌に触れるものは、しっかり納得して使用したいので、ちゃんと調べてみて良かったです…!