皮膚科医に聞いた!くすみの種類とそれぞれの原因
Date:2015/6/19
白く透き通った肌に憧れる女性にとって、シミと並ぶほどやっかいな「くすみ」。
若い頃は気にならなかったのに、30代頃から気になり始めたという方も多いのではないでしょうか。
くすみがあると、体調が悪そうに見えたり、老けて見えたりといいことは一つもありません。ただ、一口にくすみと言っても実は原因はさまざま。
くすみの種類と原因について皮膚科医の先生にお話をうかがいつつ、まとめました。
ライター:riica
美容医療関係の会社で働いていて、美容部員の経験もあります。
勤務先に美容皮膚科医の先生がいるので、最新の美容医学の知識をお聞きしながら、正しい情報をお伝えします!
そもそもくすみとは?
「くすみ」という言葉ですが、実は、医学的にこの表現はなく明確な定義はないそう。
化粧品業界でもその定義が曖昧でしたが、『日本化粧品技術者会』は1995年、各社の意見を参考に以下のような定義案を提出しました。
「肌のくすみは,ある特定の現象である.顔全体または眼のまわりや頬などの部位に生じ,肌の赤みが減少して黄みが増し,また肌の‘つや’や透明感が減少したり,皮膚表面の凹凸などによる影によって明度が低下して暗く見える状態で,境界は不明瞭である.その発生要因はいくつか考えられており,それらの要因が単独か複数関与することにより,現象として認識される」
(引用:日本化粧品技術者会)
この内容からくすみにはいくつかの要因があり、それぞれくすみの出方も違うということが分かります。
ではどのようなくすみの種類と原因があるのでしょうか。色別でご紹介します。
①黒くすみ
黒くすみとは
肌全体、または一部が黒くなって見える状態を指します。部分的な箇所で多く見られるのが小鼻の横。
黒くすみの原因
黒くすみは毛穴の汚れや皮脂の過剰分泌によるもので起こりやすくなります。皮脂は酸化すると黒っぽくなっていくため、このような現象が起こるのです。
②茶くすみ
茶くすみとは
最も多くの方は悩むのがこの茶くすみです。肌全体が日焼けのように茶色っぽく見える状態を指します。
茶くすみの原因
健康的に見えることもありますが、透明感のある肌を目指している方には厄介なメラニン色素が主な原因です。
紫外線を浴びることで大量に作られたメラニン色素が、肌に沈着することで起こります。
また、乾燥や生活習慣の乱れ、老化によりターンオーバーが乱れてしまうと、古い角質が剥がれずにどんどん肌に溜まって厚くなってしまうため、肌から透明感が無くなります。
そして、その厚くなった角質は皮脂や老廃物を溜め込んでしまうためさらに肌をくすませてしまいます。
③青くすみ
青くすみとは
顔全体、または目の下に出やすいくすみ。「顔色が悪い」というのはこの青くすみの状態であることが多く、血色が無い病人のように見えることもあるくすみです。
青くすみの原因
青くすみは血行不良が原因で起こるくすみです。
身体は血行不良になると末端の毛細血管まで新しい血液が届かずに冷えた状態になります。大事な臓器に対して先に血液を送り込むため、手や足と同じく顔も後回しにされてしまう部分なのです。
そのため、身体が冷えると手や足と一緒に顔も冷えていき、血液がしっかりと循環していないと赤みが無くなり、青くくすんだ顔色が悪い状態になってしまいます。
目の下にできるクマの中の青グマもその一つです。
血行不良の原因は、冷えはもちろんのこと、疲労、ストレス、睡眠不足、喫煙、栄養バランスの乱れなどが挙げられます。
④赤くすみ
赤くすみとは
肌の奥の方から少し黒ずんだ赤っぽい肌の状態を指します。小鼻の脇や頬がまだらに赤みがかっているように見えます。
赤くすみの原因
肌のバリア機能が低下している状態で、紫外線、摩擦、乾燥を受けると炎症を起こしてしまうことがあります。この炎症が長引いてしまうと、真皮や皮下組織という肌の奥の方までにダメージを与えてしまい、色素沈着を引き起こします。
真皮にある毛細血管がダメージにより破壊され、出血することでヘモグロビンという赤い色素タンパク質が沈着してしまうのです。これが赤くすみの原因です。
⑤黄ぐすみ
黄ぐすみとは
顔全体が黄色っぽく見える状態を指します。健康的ではなく病的に見える場合もあります。
黄ぐすみの原因
最近多く目にする「糖化」が原因と言われています。
糖化とは体内にある糖質がタンパク質と結びつくと「AGEs」という物質になり、その物質が身体のいろんな部分へダメージを与えるという現象を言います。このAGEs自体が黄褐色を帯びているため、肌が黄色っぽく見えてしまいます。
また、AGEsはコラーゲンを硬化させてしまうので、老化にもつながるとても厄介な物質です。(参考:皮膚科医に聞いた!肌の老化の5つの原因とその対策)
その他汚れや産毛などによるくすみもありますが、わりとすぐに解消することができるものです。
上記に挙げた4つは日々のお手入れをしっかり行い、時にはプロの手に委ねないと解消できない厄介なもの。
くすみにお悩みの方は、自分がどのタイプのくすみなのかをしっかり把握し、原因にあったケアをするのが大切です。
次回の記事で、それぞれのくすみのケア方法についてご紹介したいと思います!