小説コスメディナ(4) モノグラム

小説コスメディナ(4) モノグラム

sumika
主人公:野村純花(のむら すみか)

29歳のOL。

都内の小さな会社で事務をしている。

目立つタイプではなく、真面目でおとなしいと評価されることが多い。

純花の会社はもともと女性社員が少ないうえ、結婚や出産でやめてしまう人も多い。

唯一10年以上勤務していて、数名の部下もまとめているのが、純花のあこがれの存在でもある、秋野楓(かえで)だ。

秋野は仕事ができて頭の回転が速いのに、決して出しゃばるわけでもなく、周囲への気遣いもとても自然にできる。

一緒にいてとても心地よい空気が流れる、素敵な女性だ。

monogram

そんな秋野が愛用しているのが、ルイ・ヴィトンのモノグラムのバッグで、入社当初から、純花はいつか自分も秋野のような、モノグラムのバッグを買いたいと思いつつ、なかなかその夢を叶えられずにいた。

だがついに、今年の夏のボーナスが思っていたよりも多かったことで、いつも横目に通りすぎるだけだったルイ・ヴィトンの店舗に入る決心をした。

そして、ネヴァーフルと名付けられた、シンプルだけど美しいフォルムのトートバッグを買ったのだ。

慣れない高級店で緊張しながら、勢いに任せて会計し、ドキドキしたまま家に帰って、改めてモノグラムのバッグを手にとった。

肩にかけて、鏡の前に立ってみる。

やっと買えた、憧れのモノグラム。

だけど・・・。

高級感ただよう光沢のあるバッグは、鏡の中の純花に対してひどく浮いてみえて、自然になじんだ秋野のモノグラムとは全く別物に見えた。

私には、不釣り合いだったのかな…?

数日後、秋野と偶然ランチをともにする機会があったので、「実は・・・」と、秋野に憧れてモノグラムを買ったけど、自分には全然似合わないとこぼした。

秋野は、「そうなの?」と照れくさそうに笑ったあと、「私もそうだったよ。使っているうちに、そのうちなじむよ。」と微笑んだ。

改めて、秋野のモノグラムを見つめてみる。

丁寧に手入れされ、傷んだところは全くないけれど、持ち主と歩んだ年月を感じさせる、自然な色あせが、逆に新品にはない美しさを生んでいる。

monogram

若く見えることに固執するのではなくて。

若い時の自分にはなかった、全く別の美しさ。

美しく齢を重ねるっていうのは、こういうことなのかもしれないな。

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