リン脂質
Date:2014/11/5
あまり聞きなれない「リン脂質」という言葉。〝脂質″と付いていますが、これも立派な保湿成分の一つなのです。
ここでは多くの化粧品にも配合されているこのリン脂質についてご紹介いたします。
肌を守る重要な成分
リン脂質とは、脂質とリン酸が結合した物質のことを指します。
人間の細胞膜を構成する物質の一つであり、肌への密着力が高く、水と油をなじませる乳化作用(エモリエント作用)があり、肌の水分と皮脂をなじませて皮脂膜を作る手助けをしている物質です。そのため多くの乳液やクリームなどに配合されています。
また、化粧品の成分を肌へ透過吸収する浸透作用があり、化粧品には欠かせない成分の一つです。
セラミドと同じく、サンドイッチのように水分を挟み込み肌に維持させるため、保湿力も高い成分です。
代表的なものがレシチン。原料によって分類されており、大豆を原料とするものは大豆レシチン、卵黄を原料とするものは卵黄レシチンと呼ばれています。
肌が何らかの刺激を受けるとリン脂質が不安定になります。
リン脂質が不安定になると肌のターンオーバーが乱れ、水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥してしまいます。
さらに肌が無防備になるとさらに刺激を受けやすくなり、新陳代謝も悪くなるので乾燥だけではなく、シミやシワなどの肌トラブルが出やすくなります。
リン脂質は、一度減少してしまうと回復させるのが難しい物質です。
なので、毎日のスキンケアでしっかり保湿をして肌に栄養を補い、リン脂質を安定させることを心がけましょう。
安全なレシチンを見極める
大豆レシチンや卵黄レシチンは天然の原料から抽出されたものであり、天然界面活性剤と呼ばれています。
食品の乳化剤と使用しても認められているほど、非常に安全で毒性が無いため副作用の心配がない成分です。
そのため、無添加化粧品に配合されることが多いのも特徴です。
ですが、天然がゆえにその成分自体が不安定で酸化しやすいため、配合されている場合も早めに使い切らなくてはなりません。
また、原料自体にアレルギーを持っている方も注意が必要です。
また、天然のレシチンを安定させるために作られた水素レシチン、水酸化レシチン、水添レシチンなどは全て合成界面活性剤となり、食品への使用もNGとなります。
もちろん肌にとっても100%安全とは言い切れません。毒性は極めて低いものではありますが、物によってはアレルギー報告もあるので使用の際は十分に注意しましょう。