スフィンゴ脂質
Date:2014/12/1
スフィンゴ脂質という聞きなれない成分ですが、実は、なじみのあるあの成分も、このスフィンゴ脂質のひとつです。
ここではスフィンゴ脂質がどういうものなのか、どういった役割があるのかをご紹介いたします。
セラミドもスフィンゴ脂質の一種
細胞間脂質の一つで、生物の主な構成成分として体内に広く分布している物質です。
スフィンゴ脂質にはスフィンゴシン、セラミド、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴシン1-リン酸、セラミド1-リン酸、スフィンゴミエリンなどの種類があります。
セラミドもスフィンゴ脂質の一種なのです。
化粧品の表記に関しては、セラミドは『セラミド』と表記されており、それ以外の物質を『スフィンゴ脂質』または『スフィンゴリピッド』と表記していることがあるようです。
または『セラミド(スフィンゴ脂質)』と表記されている場合もあります。
肌への作用は、肌の水分をたくさん抱え込んで維持し、表皮のすき間を埋めて水分の蒸発を防ぎ、キメを整える働きがあります。
また肌のバリア機能を正常に働かせる役割もあります。
さらに、保湿以外にも紫外線を浴びてシミを作ってしまう素となる「チロシン」を抑制する作用もあります。
人の肌にも存在している安全な成分
スフィンゴ脂質の分布はほとんど動物界であり、植物界や酵母にはほんの少ししか存在していませんが、酒粕には米由来のスフィンゴ脂質が含まれています。
人の肌にもともと存在しているものなので、刺激は弱く基本的には問題なく使用できますが、やはり稀に肌に合わない方もいるので注意が必要です。
また、『フィトスフィンゴシン』と表記されているものは、植物由来の成分であり、スフィンゴ脂質と似た働きがあります。
ちなみに「スフィンゴリピットE」と呼ばれているものがありますが、これは化粧品メーカーが、ヒトの皮膚のセラミド構造と機能を研究し、同じような働きをする物質を化学的に合成して作りだした成分です。
天然のものは高価であり、動物性を使用したくないというところから研究・開発されたのではないでしょうか。